女性起業支援プログラムレポート|「やりたい」を相手に届く言葉に変える考え方

女性起業家支援

2026年10月、北大阪商工会議所主催の「女性起業支援プログラム『やりたい!を仕事にできる私になる!』」が全3日間の日程を終えました。

協力は大阪産業局 女性起業家応援プロジェクトで、運営は短期集中ビジネスブートキャンプ「WMBC」です。シュプラノート代表の坂本麻紀は、このWMBCの講師兼事務局として、プログラムに携わりました。

全3日間のうち、この記事では「言葉」の視点から特に学びが多かった2日目を中心にお伝えします。

目次

結論:起業の第一歩は、言葉の「向き」を変えること

起業を考える人の多くは、まず「私がやりたいこと」から話し始めます。
それは大切な出発点ですが、言葉が自分の側を向いたままだと、聞いている人には意味が届きにくくなります。
2日目は、この言葉の向きを「自分」から「相手」に切り替える時間でした。

プログラムの概要

主催北大阪商工会議所
協力(公財)大阪産業局 女性起業家応援プロジェクト
日程2026年10月6日・13日・20日(各火曜10時〜12時)
会場枚方市総合文化芸術センター別館
参加費・定員無料・15名

受講者は20代から50代まで幅広い年代の女性です。やりたいことが明確な方から、まだぼんやりしている方まで、業種もさまざまでした。

3日間の流れ

1日目は、心理テスト「BIG5」診断などを通して自分の特性と向き合いました。
3日目は、法令や市場調査、数字の見方など、ビジネスの土台と「考える力」を学ぶ時間でした。
その間に挟まれた2日目が、「誰に、何を届けるか」を決めて、それを言葉にするための時間です。

「誰に・何を」を言葉にするワーク

2日目のゴールは、仮でもよいので「誰に、どんな商品・サービスを提供するか」を決めることでした。これが決まっていないと、誰かに相談することすらできないからです。

視点1:主語を「私」から「相手」へ

特に女性は「私がやりたいこと」に目が向きがちです。そこで次の2つを問い直しました。

  • それを求めているのは誰か
  • それを手にした人は、どうなるのか

同じ商品でも、「私がこれを提供したい」と話す場合と、「あなたはこうなれます」と話す場合では、相手が受け取る意味がまったく違います。言葉の意味は、話し手が決めるのではなく、聞き手の側で完成するからです。

視点2:相談の言葉を整える

次に、どう言えばスムーズに相談できるのかを学びました。仮決定した「誰に・何を」があれば、相談の言葉も具体的になります。受講者からは、結論から順序立てて伝えるPREP法が「人に伝えるのに有益だった」という声がありました。話し方の基本は、話し方の基本5つでも解説しています。

視点3:信頼を失う言動を知る

反対に、信頼を失ってしまう言動や行動とは何かも学びました。ビジネスでは、言葉の内容だけでなく、言い方や態度、行動まで含めて相手の判断材料になります。ここは起業前に知っておくだけで、避けられるつまずきが大きく変わる部分です。

視点4:応援者を協力者に変える伝え方

最後は、応援者が協力者に変わる伝え方です。応援者は「頑張ってね」と言ってくれる人、協力者は実際に動いてくれる人のことです。
思いや理想を語るだけでは応援者止まりですが、相手が何をすればよいかが伝われば、協力者に変わっていきます。

誠実性のある表現方法

受講者の声(2日目)

みなさんのビジネスプランを聞けることで、自分とつなげて考えたり、違う視点で自分のプランを見たりできました。思いつかなかった考えも広がりました。

PREP法がとてもわかりやすかったです。自分ではわかっていても、人に伝えるのに有益だと思いました。「移動距離が長い方がひらめく」という言葉に出会い、家でネットを見るだけでなく、リアルに動こうと思いました。

自分の「やりたい」が全面的に出てしまいがちですが、お客さまがどう考えていて、どんな状態を望んでいるのかを知ってイメージすることが必要だと、改めて考えさせられました。

1日目の感想にも、「応援者ではなく協力者をつくる」という言葉が心に残ったという声がありました。2日目の学びは、この気づきともつながっています。

女性起業支援プログラムの様子

まとめ:言葉を変えると、動いてくれる人が変わる

2日目の学びを整理すると、次のとおりです。

  • 主語を「私」から「相手」に変える
  • 仮でも「誰に・何を」を決めると、相談の言葉が具体的になる
  • 信頼は言葉だけでなく、言動全体で決まる
  • 応援者に思いを語るだけでなく、協力者に動き方を伝える

やりたいことが定まりきっていなくても、言葉の向きが整えば、次の一歩は踏み出せます。

言葉のズレを扱う研修をご検討の企業・団体の方へ

シュプラノートでは、「話し手の意図が、聞き手にどう届くか」に着目したコミュニケーション研修を行っています。社内の伝え方・聞き方の改善にご関心のある方は、研修メニューをご覧ください。

▶ 組織内コミュニケーション研修

また、このような女性起業支援プログラムの開催をご希望の自治体・商工会議所・団体の方は、短期集中ビジネスブートキャンプ「WMBC」にお気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いた人

約10年の舞台役者・ダンサーとしての経験と、コミュニケーション講師としての経験をもとに、認知言語学・自己呈示理論をベースにした企業向けコミュニケーション研修「シュプラノート」を主宰。話し手と聞き手の間に生まれる“ズレ”を言語化し、組織のコミュニケーションの質を底上げする研修を提供している。「表現コミュニケーション開発協会」共同代表。著書に「やばい」は思考停止か、それとも才能か(自著)ほか、共著2冊。TOKYO MXのビジネス情報番組にも出演。

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