SNSのDMやメールでの営業・案内メッセージが、「まるでAIと会話しているみたいだ」と感じられてしまうことがあります。今回は、実際に体験したやり取りをもとに、なぜそう感じてしまうのか、そして相手にきちんと届くコミュニケーションとは何かを考えていきます。
実体験:AIと会話しているようだったやり取り
先日、顔見知り程度の知人からSNSのDMで、ある無料サービスへの参加案内が届きました。メッセージには私の名前がなく、いかにも一斉送信されたような文面でした。
正直なところ「これは返信するまでもないかな」と感じ、そのままにしていました。しばらくして催促のメッセージが届きましたが、これも後回しにしていたところ、さらに追い打ちをかけるように再度催促が来たため、「今回は見送らせてください」と、返信が遅れたお詫びとともに伝えました。
すると、このような返信がきたのです。

断る理由を教えてください。



すでにそのことは自身で行っているため、必要がないからです。



私がお世話になっている方を紹介したいです。



ご案内ありがとうございます。ただ、今回はご紹介いただいても同じ理由で見送らせていただきます。



年齢を聞いてもいいですか?グループが年齢層で分かれているので。



すでにお断りしたはずですが。



お忙しいところすみません。
私の断りを聞いていないどころか、なんだか会話として成立していませんよね。
この一連のやり取りが、終始「AIと会話しているよう」に感じられたのです。
なぜ「AIみたい」だと感じたのか
1. パーソナライズされていないメッセージはスルーされる
名前もなく、誰にでも送れるような定型文は、受け取った側に「自分に向けて送られたものではない」と感じさせます。相手の名前を入れる、相手の発信内容に触れるなど、一手間かけたメッセージにするだけで、受け取り方は大きく変わります。
どうしても個別に送る余裕がなく、一斉送信にせざるを得ない場合もあるでしょう。その際は、「〇〇で名刺交換させていただいた方へ一斉にご案内しております」のように、一斉送信であることと、誰に向けた案内かを明記するだけでも、受け取る印象は大きく変わります。あたかも個別に送っているかのように見せかける文面よりも、正直に一斉送信だと伝えたほうが、かえって誠実な印象を与えます。
2. 「空気を読む」ことをしない
返信がない、というのは多くの場合「興味がない」という意思表示です。これは、言葉にされていない沈黙という文脈を読み取れるかどうかの問題です。すぐに催促を重ねるのではなく、一呼吸置いて相手の反応を待つ姿勢が必要です。
3. 相手のニーズを聞かずに、断る理由を求める
明確に断られているのに、理由を聞いたり、別の人物を紹介しようとしたりするのは、相手のニーズを聞く気がないまま、自分の目的だけを押し通そうとする姿勢の表れです。本来の営業とは、まず相手の状況や悩みに耳を傾けることから始まるはずです。
4. 謝罪のポイントがズレている
「お忙しいところすみません」という最後の一言も、噛み合っていませんでした。不快に感じたのは、忙しい時間に連絡が来たことではなく、断っているのに何度も食い下がられたことです。何に対して謝っているのかがズレていると、謝罪はかえって不信感を強めてしまいます。
これは、社内のやり取りでも起きている
こうした「AIみたいなコミュニケーション」は、社外向けの営業メッセージに限った話ではありません。社内のメールやチャットでも、同じ構造は起こり得ます。
定型文だけの依頼メール、返信がないことの意味を読み取らずに催促だけを重ねるやり取り、相手の状況を確認せずに要件だけを押し付けるメッセージ。これらはすべて、相手の文脈を読み、意図を汲み取るという工程が抜け落ちてしまった結果です。


まとめ
相手に届くコミュニケーションに欠かせないのは、次の4点です。
- メッセージをパーソナライズする
- 沈黙という反応も文脈として読み取る
- 相手のニーズを聞く姿勢を持つ
- 謝罪すべきポイントを正確に見極める
一方的な情報発信ではなく、相手の状況やニーズに寄り添う姿勢こそが、信頼を築き、結果的に良い関係やビジネスの成果につながります。こうした「相手の文脈を読み取る力」を組織として鍛えたいとお考えの企業様は、ぜひシュプラノートの研修メニューをご覧ください。









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