セミナー講師が信頼を失う3つのNG習慣とは

セミナー講師が信頼を失う習慣

「専門知識や実績には自信があるのに、なぜかセミナーのリピート率が上がらない」「フロントセミナーから本命商品への成約率が伸び悩んでいる」

もしそんな課題を感じているなら、原因は講座のコンテンツ(内容)ではなく、「届け方」にあるかもしれません。

セミナー講師やファシリテーターは、場の主導権を握り、受講生に安心感を提供する立場です。しかし、無意識の「言葉選び」や「声の出し方」のせいで、聞き手に「なんだか頼りない」「素人っぽい」という違和感を与え、信頼を得られずにいるケースが少なくありません。

多くの人が無自覚にやってしまっている「講師の信頼を奪う3つのNG習慣」を、言葉・音・身体の3つのレイヤーから解説します。ご自身の話し方に当てはまっていないか、セルフチェックしてみてください。

目次

【言葉選び】主体性と責任を曖昧にする「過剰なへりくだり」

自身のビジネスについて話す際、過剰にへりくだる表現や曖昧な語尾を使うと、受講生に「自信のなさ・責任逃れ」として伝わり、講師としての権威性を失います。

「〜させていただいてます」の罠

例えばあなたが、コンサルティング事業を行っているとして、自社事業やプロフィールの紹介で、「〇〇の分野でコンサルをさせていただいてます」と言っていないでしょうか。

「させていただく」は、本来「相手の許可を得て、自分が恩恵を受ける」ときに使う表現です。自分の意志と責任で看板を掲げ、サービスを提供しているビジネスの場でこれを使うと、誰の許可を得ているのか分からず、モヤモヤした違和感(主体性のなさ)を与えてしまいます。プロとして信頼されたいのであれば、「〇〇を専門に活動しています」「〇〇を提供しております」と、自分の仕事に誇りを持って言い切るのが自然です。

坂本麻紀

芸能人がしょっちゅう言ってますよね。「主演をさせていただきます〇〇です」「歌わせてもらってます」のように……。あれは真似しないでくださいね。

「〜と思います」の乱発

「〜だと思います」「〜な気がします」が口癖になっている講師も要注意です。受講生は、その道のプロとしての「正解」や「確信」を求めてセミナーに参加しています。それなのに語尾がすべて個人の推測(〜と思う)になってしまうと、「本当にこの人に任せて大丈夫かな」と不安を植え付けてしまいます。「〜です」「〜と考えています」と明確に言い切るところと、根拠のない推測であることを分けて表現しましょう。

セミナー講師

【音・話し方】聞き手の集中力を奪う「語尾上げ」と「フィラー」

語尾が跳ね上がる話し方や、「あのー」「えっと」といったつなぎ言葉(フィラー)の連発は、ビジネスの場にそぐわない幼さを印象づけ、聞き手の時間を奪う原因になります。

語尾の跳ね上がり

話し慣れていない講師に特に多いのが、語尾が不自然に上を向く「語尾上げ」の癖です。「〇〇なんですけれどもー」「〇〇ということですっ」というように語尾が上がる話し方は、相手の顔色をうかがっているように見えたり、カジュアルな雑談のように聞こえたりします。本人は場を和ませようと明るく言っているつもりでも、客観的には「プロっぽさ(安心感)」が欠如してしまいます。語尾はきれいに「です。」「ます。」と落とすのが鉄則です。

坂本麻紀

ここは特に女性が気をつけたい話し方です。

「あのー」「えっと」は準備不足の証拠

言葉の冒頭に「あのー」「えっと」を連発する講師の話は、内容がどれだけ良くても頭に入ってきません。聞き手の脳のエネルギーを「内容の理解」ではなく「ノイズの処理」に使わせてしまうからです。

フィラーを連発してしまう原因は、次の言葉を探す一瞬の沈黙を恐れているからです。しかし、プロのファシリテーターや講師は沈黙を恐れません。次の言葉を探すときは、口を閉じて黙る。その潔い「間」こそが、受講生にとって話を咀嚼する大切な時間となり、知的な印象を作ります。

坂本麻紀

私も「あのー」を連発していた時期がありました。これをなくす(減らす)には、まずは自覚すること、そして実際に話すときに意識することだと、経験上実感しています。

【身体・発声】緊張と余裕のなさを露呈する「平べったい声」と「段取り」

喉が閉じた響きのない声や、オンラインセミナーでの手際の悪さは、講師の緊張・余裕のなさ(準備不足)をダイレクトに受講生へ伝え、場を冷めさせます。

喉が閉じた「平べったい声」の正体

「上手く見せよう」「間違えないようにしよう」という強い緊張や自己防衛の意識は、そのまま身体に表れます。喉の奥がキュッと締まり、息の通り道が狭くなると、口先だけでペタペタと喋るような「響きのない平べったい声」になります。この声は、聞いていてどこか息苦しく、幼さを感じさせるため、包容力や説得力が生まれません。まずは肩の力を抜き、深い呼吸に乗せて言葉を「届ける」意識を持つことが大切です。

オンライン特有の「段取りの悪さ」

画面共有に手こずる、機材トラブルで慌てる……。これらを本番中にやってしまうのは、厳しい言い方をすれば「参加者へのリスペクト不足(事前の準備不足)」です。オンラインセミナーでは、リアル会場以上にテンポの悪さが際立ちます。当日に絶対なにも起こらない保証はありませんが、事前にリハーサルを徹底し、スムーズな運営を行うことまでが、講師のデリバリーの品質責任です。

まとめ:「届ける技術」までがプロの責任

素晴らしい知識やノウハウを持っていることは、人前に立つ最低条件に過ぎません。それを「聞き手にストレスなく、価値として届ける技術」があって初めて、プロの講師・ファシリテーターと言えます。

言葉の選び方、語尾の処理、声の響き、そして事前の段取り。これらすべてに、ビジネスへの覚悟と受講生への敬意が映し出されます。まずは、自分のセミナーや登壇時の様子を一度録画・録音して、客観的に自分の声を聴いてみてください。無自覚だった自分の癖に気づくことこそが、選ばれるプロになるための第一歩です。

こうした話し方の基本や、講師として聞き手を引きつける力については、話し方の基本5つや、セミナー講師が「上手い」と言われる理由でも詳しく解説しています。

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